もうすぐ今年のAppleイベントですね。毎年どういう製品がリリースされるのか楽しみで、今年もついにLightningケーブルから解放されたiPhone15が出てくるのではないかとか、Apple WatchやAirPod Pro、iPad miniなどのアップデートがあるのではないか、と賑やかになってきました。
ですが正直、ここ数年、私はこの流れになかなかついていけていません。というのも、実用重視で考えると、毎年の製品更新や新製品リリースについていく必要が無くなっているからです。
私が仕事で使っている、会社から支給されたMacBook ProはいまだにIntel版です。時々日本語変換が遅いなぁなどと思うことはありますが、仕事に支障が出るほどのことではありません。
一方で、プライベートではM1 Max Proの16インチMacBook Proを使っていますが、これも不自由は無いというか、むしろ私のプライベート利用という観点からはオーバースペックと言っても過言ではありません。よく高スペックのパソコンを買っても、結局やっていることはTwitter(現X)やYouTubeを観るだけ、ということが揶揄を込めて言われますが、私も似たようなものです。
ただ、Apple製品は実用性だけで語れるものではありません。そう、Apple製品にはロマンがあるのです。
私が社会人になったばかりのころ、アメリカからMBA留学して帰ってきた同僚が持っていた100万円越えのMacintoshに憧れ、安い初任給で手が出ず、結局東芝のラップトップを買った私にとってみれば、自分の能力や実用性とは別の魅力がApple製品にはありました。ですので、仮に実用性が無くても、Apple製品に対するロマンは常に追っていこうと、そこそこお金を自由に使える年代になった今、自分なりに心に留めています。
そういう意味で最もいまロマンがあるのは今年の3月に発表されたApple Vision Proです。発表があったとき、来年米国でリリースされたら現地にいる友人にお願いして購入しようかなとまで思いました。ただ、ヘッドマウントディスプレイについては、個人的に追いたいロマンがあって、この手のデバイスは最低でもサングラス形式、理想的にはコンタクト形式にならなければ意味がいない、と考えています。従って、いまは購入する気持ちにはなっていません。
では、Apple製品をもう購入することはないのかというと、そうではなく、ロマンの追い先を少し変えることにしました。数年前までは新しいMacBook Proが出たら必ず更新してきました。iPhoneも毎年と言うことはないですが、一世代おきには更新してきました。でも、今後は追いかけるのはiPadにしようと考えているのです。
Appleの過去を振り返ってみると、もちろんMacintoshシリーズにはロマンがありました。しかし、もうひとつ、ロマンを感じさせるプロダクトがあったことを皆さんご存じでしょうか。私と同じ世代であれば当然のようにご存じだと思いますが、もしかすると若い方はご存じないかも知れません。
それが、Apple Newtonというモバイルデバイスでした。Newtonは1993年から1998年にかけて販売されていた世界初のPDAです。確か、スティーヴン・セガール主演の映画『暴走特急』でも主人公ライバックがキーアイテムとして使っていました。
この後PDAとしてはさまざまなデバイスがリリースされ、例えばHP200LXは日本でも流行して「電脳パンツ」なる言葉も生み出しました。いずれにせよApple Newtonはコンセプト的にも技術的にも時代の先を行き過ぎた製品でした。そのため、使い勝手の割には高価で、結局5年ほどで販売終了になってしまいました。
初めてiPadがリリースされたとき、私は、ついにNewtonが再来した! と狂喜したものです。しかし、実は私は初代iPadは購入していません。それは、既にiPhoneを愛用していたからです。当時のiPadはサイズの大きいiPhone(その割には電話が使えない)といった微妙な立ち位置で、専用アプリもまだほとんどなく、当時のリリース発表や記事を読むに留まり、結局購入にはいたりませんでした。
とは言え、その後購入した12インチiPadは今でも動画・音楽再生デバイスとして現役ですし、いくつかのiPadも購入してみました。しかし、そのアップデートを追いかけるほどの情熱は持てませんでした。MacBook Proを購入するだけで精一杯だった、ということもありますしね。
そこで久し振りにここ数年のiPadのリリース履歴を確認してみました。ちょっと見ない間にiPad無印、iPad mini、iPad Air、iPad Proなど製品のバリエーションも増えています。サイズや色を含めるとなかなか選ぶのも大変な選択肢です。しかも、スペックがM1やM2などMacBook Proと比べても遜色の無いものになっています。初代の弱点であったアプリケーションも豊富にあって、情報を収集しながら久し振りにワクワクしてきました。
そう、そのワクワクが大事なんですよね。それがまさにロマン。最近のApple製品にはそのワクワクが足りなくて、購入するモチベーションも活用するモチベーションも落ちてきていましたが、もしかしたら、iPadであれば、そのワクワクが、ロマンが戻ってくるのでは無いか。そんな気がしてきました(なんだか年寄りの青春よ再び、みたいで微妙ですが)。
というわけで、今朝ほど、Appleイベントの数日前だというのに、12.9インチiPad Proをポチってしまいました。いまのところ、後悔はありません。あるのはワクワクだけです。さぁ、これが一か月後、どういう状態になっているのか。そのワクワクは果たして正しかったのか、きちんとnoteで報告いたします。
それでは、まさに9月13日水曜日、イベント当日に到着するiPadを楽しみに、本稿を閉じたいと思います。
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