昨日、iPad miniで小説の最終稿をチェックしようとして気づいたことがあります。
わたしは小説の執筆は基本的にMacでやっています。ワープロソフトはWordです。そのMac版Wordで縦書きレイアウトしていた原稿をiPad版Wordで開いたところ、ちゃんと縦書きで表示されていました。
これ、いつからできるようになったんでしょうか。数年前に使ったときは確かできなかったと思います。そのとき、しぶしぶWordをiPadで使うことを諦めた記憶があります。
しかし、いまは表示だけでなく、編集も縦書きでできるようになっていました。まだ詳しく機能をチェックしていませんし、おそらくMac版の機能のサブセットでしかないことは変わらないと思いますが、テキストを書くだけであればほぼ問題のないレベルではないでしょうか。
「WordはiPadでは縦書きできない」という思い込みがあったので、いままでiPadで縦書きレイアウトでの原稿チェックするときは、「縦式」や「iText Pad」などを使っていました。しかし、初稿時はともかく、最終稿に近付いた場面ではMacではWordで書き進めているなか、わざわざテキスト形式で書き出した上で表示する必要があるなど、テキストの取り回しに手間があったのも確かです。結果として、出先での本格小説執筆は控えていた面があります。
たまたま昨日は体調が悪かったので終日ベッド内で過ごしていて、Macに触れないという意味では、出先と変わらない状態でした。横になりながら、iPad miniで縦書きでの原稿チェック、修正ができたのはありがたかったです。原稿用紙設定やルビ、禁則処理までは求めません(できるかもしれませんが)。たんに原稿を縦書きレイアウトで読めて、編集ができれば、わたしは十分でした。
また、MicrosoftのAIであるCopilotもiPad版Wordで使えるようです。特に初稿時はAIにいろいろと調べてもらうことが多いのです。Macでは複数の外付けディスプレイが使え、WordとChatGPTを同時に表示させて執筆ができるので、あまり不都合は感じません。
しかし、iPadで原稿を書くときは、いちいちアプリを切り替えるのは結構生産性に影響がでてきます。そんなときに、Wordの原稿と同じ画面でCopilotが使えるというのはありがたいかも知れません。これから積極的に使ってみようと思います。こうなってくると、もうドラフトや初稿から本格的にiPadだけで小説を書くことができるようになります。
これは、思っていた以上に、大きな意味を持つ発見でした。今後は、MacBookがなくても、iPadとキーボードさえあれば、Wordで小説を書き続けることができます。初稿から第2稿までは横書きで、第3稿以降は縦書きで、というわたしの執筆作法が、どこでも実現できるようになりました。創作の「場所の制約」が、また一つ外れた気がしました。
ガジェットの進化は、創作の自由と結びついています。だからこそ、物書きたちはガジェットにこだわるのかも知れません。そういう意味では、便利さだけでなく、「縦書きができる」という一点に、これだけ心が弾むのは、わたしも、まがりなりにも、物書きの端くれになってきたのかな――そんな気がしています。
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