8月1日、萩の商港・菊ヶ浜周辺で行われた「萩日本海大花火大会」を観てきました。菊ヶ浜は約1.2キロメートルにわたって続く美しい白砂青松の海岸です。メイン会場となる萩港は東側、わたしの家に近い浜辺は反対の西側にあたります。そこまで自宅から歩いて数分。メイン会場からは離れていますが、十分楽しむことができました。
この花火大会は「萩夏まつり」のメインとして開催されるイベントで、日本海を臨む美しいロケーションで、約7,000発の色とりどりの花火が夜空を彩ります。昨年、萩に拠点を持つことが決まって、そのころから楽しみにしていました。
本当に素晴らしい花火大会でした。恐らく、わたしが人生で経験した花火大会で一番のものだったと思います。あまりに素晴らしかったので、相方とかつて訪れた花火大会を振り返ったほどです。かつて訪れた花火大会は、記憶にあるものだけでも、横浜開港祭の花火大会、隅田川の花火大会、上司の別荘から観た野尻湖花火大会、福岡に移ってから観た大濠公園花火大会、シーサイドももち海浜公園の花火大会などがありました。
わたしはお祭りや盆踊り、花火大会という子供のころの郷愁を誘われるイベントに弱いのです。大人になってからも、そういう催しがあればできるだけ行くようにしています。やはり昔、祖母と一緒に過ごした夏休みの思い出が、わたしの心の底に眠っていて、季節が巡ってくるとその頃の子供の自分がひょっこり戻ってきます。
今回の萩の花火大会は、思っていた以上に本格的なもので、時間にして約1時間、午後8時から9時ごろまで行われました。メイン会場は人が多かったかもしれませんが、家の近所の砂浜ではそれほど多くありませんでした。50人ほどでしょうか。わたしは相方と浜辺に茣蓙を敷いて座りました。周りには十分な空間があって、人が気になることはありませんでした。
約7,000発の花火が次々と打ち上げられます。息をつく暇もありません。打ち上げ場所は海上に設けられており、3カ所から打ち上げられていました。海面を美しく彩る背の低い花火から、首が痛くなるほど見上げないと大輪の花のように広がった全体を見ることができないような高く上がる花火まで、バリエーションも豊かでした。
ラストは1,000連発のスターマイン。圧巻でした。スターマインはいくつもの花火を組み合わせて短時間に数十〜百発の大量の玉を連続的に打ち上げる花火です。もちろん、スピード感があって迫力満点でしたが、ただ数や大きさで勝負するのでは無く、大きく広がったあと、消えるまでの細かい火花の散り方が繊細で、何かの芸術作品を観ているような気分にさせてくれました。細かい数千、数万の火花が花しぐれのように落ちて散っていく様は、いつまでも心に残るものでした。
「花火って、横から見たら平べったく見えるのかな」と言ったわたしに、相方は「丸に決まってるやん」と一笑。そりゃそうか、花火は球体ですもんね。思わず岩井俊二監督の名作テレビドラマと同じセリフを吐いてしまった自分に苦笑しました。
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