昨日、上司から、あるアナウンスがありました。いよいよ会社貸与のパソコンが新しくなるというのです。
わたしが仕事で使っているMacBook Proは2021年に会社から貸与されたもので、Intel版です。一応会社のルールでは、4年経てば新しいパソコンに交換になるので、本来であればこの4月で交換の時期を迎えることになるはずでした。
しかし! 今回社内で公開されたおリプレース対象にわたしの名前はありませんでした。正直いうと、ちょっとイヤな予感があったのですよね。
数日前、社内でちょっとした騒ぎがありました。どこから火が上がったのか分かりませんが、全世界の同僚エンジニアたちのほとんどがIntel版MacBook Proを使っている現実を踏まえて、なぜMチップ版にしないのかという問題提起があったのです。
アメリカ本社側のSlackチャンネルを見ていたわたしは、あー、やっとその話題になったか、という気持ちと同時に、ここで大騒ぎしたら逆効果ではないかと思ったのです。
なぜならば、全世界のエンジニアのパソコンを一度に変えるなんて、どんだけコストがかかるか分からないし、ただでさえ出張旅費が抑えられている日本では特に、正気の沙汰じゃない、からです。
もう騒がないで、粛々と4年ルールに則って、順番でいいのに……。ここで騒ぐと別の変なルールが出てきて、待ち行列が壊れてしまうのではないか。これがわたしの懸念でした。
そして、その懸念が当たったわけです。4年ルールは無視して、なんだか訳の分からないGoogle Spreadsheetが公開されて、そのなかにわたしの名前はなかったのです。しかも、その対象選定基準も不明。
いや、別にいいのです。ルールが変わるなら変わるで。ちゃんと説明してくれれば、別に待ちますよ。
でも、納得できないのは、日本のマネジメント層が、初めから逃げ腰だったことです。リストの基準はわからないからわたしには聞くな、とか、わたしもリストになかったよ、わけわからん、とか、言うな!と。
曲がりなりにもマネジメントなんだから、今回の理由や、新しい基準ができたなら確認すべきだし、部下と一緒に騒ぐだけならマネジメント失格です。
まぁ、なんとなく背景は分かっていて、日本の部門のトップがアメリカ本社におもねって、問い合わせや文句を封じているのだと思います。そういうことをやるひとなのは、周知の事実といっても良いでしょう。
この組織も(この会社も)たぶん、長くないなぁ、という実感があります。組織が腐るとき、崩壊するとき、たいていはこういうところから綻びが始まるのです。
もともと外資系の会社というのはアメリカ本社に楯突くことは好まれません。しかし、それでも日本のお客様や社員のために戦うべきところは戦い、譲歩するところはしつつ、お客様や社員に誠意を持って説明するのが日本のマネジメントの仕事です。
それをやらず、全て唯唯諾諾とするのならば、その組織は日本にある意味はないし、日本人がやる必要はありません。AIでももっとマシな対応をします。
とはいえ、わたしにもひとのことをいう資格はないかもしれません。わたしはそういう立場に嫌気がさしてマネジメントを降りた人間です。アメリカ本社の相手よりも、お客様に向き合う時間を多くとりたいために、いまの立場を選んだのです。
ですので、組織がどうあれ、いまはお客様のビジネスが、わたしたちの提案するソリューションでうまくいくのであれば、それで満足です。パソコンを何にするのかなんてことは、些細なことなのでしょう。