この週末は、モンスターハンターワイルズというゲームをやりました。休日なのを良いことに午前中から妻と、「こんなこと子供のころにやっていたら、親から怒られてたよね」などといいながらプレイしていました。
昼すぎから、もう10年以上も一緒にオンラインでマルチプレイをしている友人が参戦してきて、時間を忘れて狩りを楽しみました。大きな声ではいえませんが、この週末だけで10時間くらいやったのではないでしょうか。
この友人たちとはじめて出会ったのは、10年以上まえ、デモンズソウルというゲームをプレイしたときでした。わたしはゲーマーではないのですが、デモンズソウルの制作者と知り合いだったこともあってこのゲームを紹介されて、当時思い切ってプレイステーション3と一緒に購入しました。
このゲームはもちろんひとりでプレイすることもできますし、それでも十分面白いのですが、オンラインで複数人でプレイするマルチプレイをすることでその真価が発揮されます。当時、ちょうどTwitterが流行りかけていたころで、ゆるいオンラインの繋がりが心地よかった時代ですが、まさにその緩さをゲーム上で実現したものでした。
ホストと呼ばれるゲームの進行者が、2名の協力者をオンラインで召喚することができます。3人で協力をしながらゲームを進めていくわけです。このゲームの難易度はかなり高く、とてもひとりではクリアできないようなボスでも、協力プレイをすることでなんとかクリアすることができました。
面白いのは、敵対プレイが可能なことです。フィールドを彷徨っていると、突然赤い姿をした霊体に侵入されます。最初はなんのことか分からず、突っ立ったまま、倒されてしまいました。この赤い霊体は、ホストを倒すことで、レベルを上げ、点数を稼ぐことができるのです。
人間の善意と悪意をバランス良くダークファンタジーの世界観に混ぜ合わせ、お互いの素性もしらない(だからこそ、敵対プレイもできるわけですが)オンラインのプレイヤーたちが、ともにその世界を冒険することができるように、絶妙のゲームバランスを保ったゲームです。
この週末オンラインでモンスターハンターをプレイした友人たちは、このとき協力プレイでわたしを助けてくれたひとたちです。最初はどこのだれか分からないけれど、立ち回りがとても上手で、感心しながら後ろをついていった覚えがあります。
なんどかプレイしていると、何度も同じIDに遭遇します。また、Twitterでサポートを頼むこともふつうにあって、タイムライン上で、どこどこのフィールド、レベルいくつ、助けてください! といったメッセージが飛び交います。
そうすると、Twitterで情報の交換をしたり、オフ会と呼ばれるオフラインの飲み会に参加することも出てきます。彼らとはそうやってお互いを知ることになりました。
彼らは日本各地にいます。沖縄、九州から東京、仙台、北海道、それこそ全国に散っていますから、なかなか顔をあわせることもできません。そこで、夏休みにわたしの家に、ゲーム合宿と称して数日泊まり込みで、プレイステーションとモニターを横に並べて、オンラインゲームをしたりしました。
よく考えたら、そばにいるのにオンラインでゲームするという図も、なかなかにシュールなものです。お腹が減るとバーベキューをしたり、お好み焼きを焼いたりして、お酒を飲みながらプレイします。子供のころにやりたかったけれど、なかなかできなかった夏休みを、まさかおとなになってからできるとは思っていませんでした。
当時30代だった彼らも、そろそろ40半ば。結婚したり、子供ができたり、なかなか以前のように、徹夜でゲームをするといったこともできなくなっています。モンスターハンターも2時間で切り上げ、現実の世界へ帰っていくひとも多いです。
そんななか、ふたりでずっとプレイしているわたしたち夫婦は、ちょっとこころに罪悪感を感じつつ、今日ご飯どうする、なんかあるものを適当につまみながらでいいよ、お風呂どうする、今日はいいか、みたいな会話をしているわけです。
そんなわたしたちも、なにを隠そう、デモンズソウルのオンラインで知り合って、一緒になった仲です。ゲームはなにかと目の敵にされることも多い娯楽ですが、多くの娯楽が氾濫し、当たり前になった現代においては、ふつうのコミュニケーションがあり、出会いがあり、深い人間関係を構築することもできるようになっています。
お子さんがゲームをやっていると、しかる親御さんも多いと思いますが、たまには、いっしょにプレイしてみてはいかがでしょうか。新しい親子関係が構築できたり、ちょっと普段より大人になったお子さんが見られたりするかもしれません。思ったより健康的で前向きな娯楽ですので、是非試されてはいかがでしょうか。
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