先日上司とミーティングしていて、顔が怖いという話になりました。上司は大阪にいます。わたしは福岡。いつもウェブ会議で打合せをします。
そのミーティングに入ってきたわたしがよっぽど怖い顔をしていたのでしょう、そういう話題になったのです。上司も同じ悩みを抱えていて、お客様先とのミーティングはそれほどでもないけれど、社内のミーティングではよく言われるのだそうです。
わたしも同じで、自分では意識していなくてもそういう顔になっているようです。とくに、最近ダイエットで体重が減ったこともあって、よけいにそう思われるようです。もう10年以上も前になりますが、部下の女性から、わたしは少し太っているくらいが怖くなくていいですよ、とアドバイスされたこともありました。
上司の工夫は、髪形を変えたことだそうです。比較的印象が柔らかくなるように、散髪屋さんに行って調整してもらったとのこと。そういえば、昔一緒に仕事をしていた同僚は、童顔に見えるからと髭を蓄えていましたね。
昔は髭を生やしたひとを見ると、気取ってるな、とか、かっこつけてるな、と思っていたこともあります。しかし、見た目が中身と同様大事であることは、歳をとるにつれて実感をもってわかってきたような気がします。
見た目にこだわることを否定するひともいますが、それは外面と内面のどちらを重視すべきかという宗教論争にも似た話で、ここで議論することにあまり意味がないと思います。中身が大事なのはいうまでもないことだからです。
そのうえで、ひとからどう見えるか、どう見られているかを気にすることは決して悪いことではないと思います。不潔であったり、不快感を感じさせるような見た目では、相手のひとにも失礼ですし、場の雰囲気も悪くします。
わたしは、中身はすぐに変えられなくても、髪形やちょっとした小物で印象を変えることはできると思いますし、そこにお金を惜しむことはないと思っています。やろうと思えばできるのにそれをやらないのは、怠慢といえるでしょう。
そういうわけで、この週末、近所の眼鏡市場でメガネを新調してきました。歳をとってから、どうしてもメガネは2種類必要になりました。1つは、比較的遠くが見えて、かつ手元のパソコンも見えるような、遠近両用メガネです。これは、お客様訪問や外出するときにかけます。
2つめは、机についてパソコンで作業をするときのためのメガネです。これは仕事に集中できるように、目の前のモニターとキーボードがはっきりと見えるように調整してもらったものです。
外出用のメガネは2種類持っていて、シルバーの長方形に近いフレームでちょっとクールな感じのするものと、茶色系の丸いフレームでカジュアルな感じがするものです。前者は仕事用、後者はプライベート用と使い分けていました。
しかし、今回、表情の怖さを和らげるために、プライベート用を仕事用にも使ってみることにしました。これは、上司に見せたら、ああ、それはいいですね、といわれたメガネです。
問題はパソコンで作業をするときのためのメガネです。こちらは仕事用だと思っていたので、黒縁の長方形フレームのものしかありません。ウェブ会議などで顔を出すときに使うのはこちらです。
今回眼鏡市場で買ったのは、このパソコンで作業する用の眼鏡です。柔らかい雰囲気がするものがないかなと、店舗に行って物色してみました。そこで見つけたのが、顔色に近い薄い茶色の、丸いフレームのものです。だいぶカジュアルな感じがします。
店員さんのいうことはお世辞も入っているのでそのまま信用することはできませんが、丸いメガネもお似合いですね、ということばを信じました。また、妻も一緒に買いに行ったのですが、まぁ、いいんじゃないの、ということばで決めました。
わたしはどちらかというと、見た目より中身を重視するタイプで、ひとを評価するときもできるだけ見た目に誤魔化されないように注意するようにしています。しかし、商談をしていて、髪形が整っていないひとや、靴が汚いひと、爪が長いひとは、やはり気になりますし、正直あまり良い印象は持ちません。
見た目というのは自分のためというよりも、他のひとへの配慮なんだと思います。どれだけ他のひとのことを考えているか、慮っているか、それが顕著に見た目に表れます。すなわち、ある程度見た目に心の中が表れているわけです。
ビジネスでも、プライベートでも自分の心の中を晒して歩いて回るのは、決してプラスになることではありません。そんなに高い投資をしたりしんどい努力をする必要はありませんが、ちょっとしたことで印象を変えたり、そのための努力をしていることが窺えるだけでだいぶ違うと思います。
自分の気分も変わります。わたしは今日からそのメガネをしてこの文章を書いていますが、心なしか新鮮な、きちんと整った心持ちになれました。それもまた、大事なことなのではないかな、と思います。
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