ちょっとした手間のサポート – Apple Intelligenceの使いどころ

コラム

Apple Intelligenceをしばらく使ってみて、感じたことを書いておきます。結論からいうと、Apple Intelligenceは普通の、特別な専門知識を持たない人のためのAIです。

Apple Intelligenceの本質は、iPhoneなどのデバイスのなかだけで生成AIのプロセスが完結すること、デバイスで完結できないときはAppleのサーバー側のAIにアクセスすることです。もちろん、連携を許せばChatGPTにアクセスすることはできますが、それはApple Intelligenceの本質ではないと思います。

正直、外部のAIにアクセスするのであれば、直接アクセスした方が速いし便利です。使いどころの自由度も高いです。わざわざApple Intelligence経由で使う必要はありません。わたしも、外部のAIは仕事ではGemini、プライベートではClaudeを使っています。

では、Apple Intelligenceは何のためにあるのか。それは、ちょっとした生活のサポート、わざわざ構えてやるまでもないけれど、サクッとやってもらえるのであればありがたいことを支援するためのものなのではないでしょうか。

わたしはこの1週間、メールやテキストをキーボード(ソフトウェアキーボード含む)で書いている分には、Apple Intelligenceを使ったことはありません。その程度の文字入力なら自分で書いた方が速くて正しい日本語を書ける自信があるからです。

しかし、メモなどの短い文章の口述や、スクリブルで記述したテキストは、Apple Intelligenceに校正してもらいました。これは、入力方法特有のミスや不自然さが避けられないので、それを修正するためです。

このようにわざわざ自分や外部のAIにさせるまでもない、ちょっとしたことをさせるにはApple Intelligenceは便利といえます。人によっては、そもそも文書を書くことが苦手な方もいらっしゃると思いますので、そういう方にとっては、メールや日常のテキスト入力を手助けしてもらうことができるのではないでしょうか。

Playgroundも同様です。このアプリは完全にオフラインにしても動作する、その意味ではもっともApple Intelligenceらしいアプリといえます。

このアプリは、自然言語で指示すると、画像を生成してくれます。しかし、やってみるとすぐに分かりますが、なかなか思うような画像を作ってくれません。本気で画像生成するなら、外部のAIを使うのが正解です。

でも、わざわざ外部のAIやAdobeなどの本格的なアプリを使うまでもない、ちょっとした画像が欲しいときってありますよね。SNSで使う自分のアイコンや、ホームページのファビコンなど、一から作ろうと思うとそれなりに時間も手間もかかってしまうものです。

こういった画像をサクッと見栄えよく作ることに、Playgroundは向いています。100点ではない。けれど、まぁそれらしく見えるもの。スピード重視で取り敢えず作りたい。そういうときにサポートしてもらえるのはありがたいです。

本来やりたいことは他にあるのに、本筋ではないことにえらく時間がかかってしまうことは普段よくあることです。そういう日常生活にぽっかり空いた穴をふさぐ、隙間を埋めることをサポートしてくれるのがApple Intelligenceなのではないでしょうか。

Appleはもともと最新のテクノロジーを誰でもどこでも使えるUIを提供することを得意としますし、それによって世界を変えていこうということをフィロソフィーとしている会社です。わたしたちの目や、耳や、口や、手足、もしかしたら脳みそのサポートまで自然にやってくれるAIを提供してくれるかもしれません。また、そういったものをApple Intelligenceには期待したいと思います。

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