地方担当のエンジニアとして、相変わらず地方を飛び回っている私ですが、今回は四国は高知に出張して参りました。今回はその出張中にあったちょっと良い出来事をご紹介したいと思います。
一つは、福岡空港での出来事。
福岡から高知へ行くのは結構大変で、一つは空路、もう一つは電車の乗り継ぎになります。空路はJALしか便がなく、しかも朝と夕方の1日2便しかありません。ただ、1時間もせずに着きます。電車の乗り継ぎは大変で、岡山まで新幹線で移動した後、JR四国 土讃線特急 南風1号に乗ることになります。合計4時間半ほどかかります。しかも、この南風1号、かなり揺れて酔うという評判の電車で、出張勢には結構嫌われています。
今回は空路一択でした。最近腰が痛いこともあって、長時間の電車乗車は自殺行為です。その福岡空港でいつもの通り荷物検査場を通過しようとした時のことです。
「チャック開いてます」
密やかな囁き声が。
「!?」
社会の窓全開でした。スーツで社会の窓全開ってホント恥ずかしい。空港まではコートを着ていたので、多分周りには気づかれていないと思います。荷物検査場ではコートや上着を脱いで機械を通さなければならないので、コートを脱いだ瞬間の出来事でした。
若い検査場のお兄さんが、気を遣ってくれて、囁くように、しかも3回も言ってくれました。そのお兄さんの雰囲気の良いことと言ったら。礼を失さず、丁寧に、優しく。人と接する時はこうでなければ、私もそう人に接しようと思わせてくれる対応でした。本当にありがとうございました。
もう一つの出来事は、帰りの高知空港で。
お客様訪問は午前中に終えたのですが、先ほども書いた通り、帰りの便は夕方までありません。そのため空港で仕事をすることになりました。しかし、高知空港は電源が使える仕事スペースがないのですよね。ソファやテーブルはあるんですが、仕事にはちょっと不向きです。短時間であればそれでも良いのですが、午後まるまる空いてしまっているわけで、数時間仕事をしなければなりません。
スタバもドトールもなくて、あるのはカウンターだけの小さな喫茶店でした。でも、カウンターには複数の電源があります。ちょっと見た目怖そうなお兄さんに勇気を出して
「電源って使えますか」
するとそのお兄さん、すごく朗らかな顔で
「いいですよ。注文していただければ」
「もちろんです!」
これは有り難かったです。注文は当たり前なので、カフェラテとカスタード入りのコロネを注文しました。
そこで1時間ほどWeb会議をさせてもらって(当然声は出しませんでした。テキストチャットだけの参加)、席を立とうとするとお兄さんが
「もういいんですか? 飛行機もう来ます?」
え? という顔を私がしていたのでしょう、お兄さんは
「お客さんもいないし、まだ大丈夫ですよ。ご遠慮なくお使いください」
なんていい人なんだ……。
「では、コーヒーを追加で」
「そんなことなさらなくて良いですよ。どうしても喉が乾いて死にそうと仰るならもちろん、出しますが」
お言葉に甘えて、そのまま2時間ほど仕事させてもらいました。しかもそれだけでなく、なんとコーヒーを一杯サービスしてくれたのです。びっくりしました。
「なぜ……」
と思わず聞くと、
「気持ちいいお客様にはサービスしたくなるんです」
いや、私、コロネ食べて仕事してただけなんですが……。
この喫茶店は、おそらくそのお兄さんと奥様とでやられているのだと思います。ちょっと強面だけどイケメンなお兄さんと美人の奥様。奥様の方もふんわりとした良い雰囲気の方でした。もちろん、カフェラテもコロネも美味しかったです。ご自分で焼かれているのかなぁ。
最後にお礼を言って支払いをしようとすると、
「何を注文されてましたっけ? 今二人で話してたんですが、二人とも忘れちゃって」
いい人すぎる……。
「カフェラテと、カスタードのコロネと、コーヒーです」
「コーヒーはサービスです。また高知にいらしてくださいね」
高知には仕事で何度も行くことになりそうなので、絶対この喫茶店に参ります。昼ごはんは空港内にある居酒屋みたいなお店で食べましたが、次回はこの喫茶店で食べます。端から端までパンを全部買います。
以上、幸せのお裾分けでした。高知最高!
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