秋を感じて思うこと

コラム

今日は土曜日。いま、家のウッドデッキに置いてある木製のベンチの上で、猫と並んで座っている。

良い天気だ。雲ひとつない青空に白い月が浮かんでいる。少し肌寒いので、薄手の上着を羽織った。

昨日も出張の車移動中、パーキングエリアでも感じたのだが、空気が澄んでいて、明らかに季節が変わった。

今年は例年になく、秋を感じる。

去年まで、夏の暑さが過ぎたと思ったら寒い冬が来て、秋が四季の中から無くなったのではないかと思うことが多かった。

しかし今年は秋の存在感が際立っている。こういう年は紅葉も綺麗なのではないだろうか。

もう少し季節が進んだら、子供のころ、よく両親に連れて行ってもらった耶馬溪に行ってみようかと思う。

萩の紅葉も美しいだろう。住み始めたのが今年の春だから、初めての秋を迎えることになる。

春は桜が素晴らしかった。指月公園でしか見られないという珍しい緑吉野も、染井吉野も美しかった。

夏も期待以上の夏だった。菊ヶ浜の海も白浜も、子供のころ毎年夏に訪れた佐賀関の海を思い出させた。

蝉の声が降りしきる城下町は、子供のころの、永遠に続くのではないか思っていた夏休みを彷彿とさせた。

もしかしたら私が今年、例年と違って特に秋を感じているのは、萩でも暮らすようになったからかも知れない。季節に対する感覚が鋭くなって、敏感になっているのだ。

去年も一昨年も、季節は同じように巡ってきているのに、単にそれを感じ取れていなかっただけなのかも知れない。

福岡と萩の二拠点生活を始めて、肉体的にも精神的にも大きなメリットがあったと思っている。二つの町を行き来することで、人生にメリハリがついた。福岡ではITの仕事に重きを置き、萩では執筆活動に専念する。

場所を変えることで、私は二つの人生を送ることが出来ている。それぞれ充実していて、今やどちらも欠かせないものになった。しかし、もしかしたら一番大きなメリットは、季節の変化を感じることが出来るほど、感受性が鋭く、豊かになったことなのかも知れない。

季節の変化を楽しみ、地元の人との交流を喜び、その土地の恵みを受ける。その機会が、人生のこのタイミングで得られたことが、何よりも嬉しいのである。

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