萩に来てからこの三連休はずっと小説の執筆をしています。5話から6話構成、合計で15万文字から20万文字程度のものを書いています。全体の構成と、5、6万文字のドラフトはできていて、現在初稿を第2話まで書き進んでいます。
今回の萩での執筆では、いくつか執筆方法について試してみたいことがありました。そのうちのひとつがScrivenerというアプリを使ってみることです。
このアプリは長編の小説を書くにはぴったりのもので、資料集めからキャラクターの設定まで全ての情報をひとつのプロジェクトとして管理することができます。10年ほど前に本格的に長編小説を書いていたときに愛用していました。
このScrivenerを、また使い始めようと以前から思っていたので、今回時間もありますし試してみました。エディタも書きやすいし、タイプライターモードの自動スクロールは便利です。フォーマットなどの設定にちょっと癖はありますが、一度自分好みに設定してしまうとほとんど気になりません。
わたしはテキストエディタとしてしか使わないので、ワープロ的な設定は全てオフにし、スペルチェックや校正に関わる機能も使っていません。縦書きに対応したことは知っていましたが、Scrivenerで書くときはレイアウトや文字種、段落や行間などを意識せず、がしがしテキストを書く段階なので、使用しません。縦書きは最終稿で読者が読みやすくするために文字をレイアウトするために使うものだと思っているので、Wordで行います。
昨日丸一日使ってみての感想は、相変わらず痒いところに手が届く良いアプリだということです。
たとえば、大幅な書き直しを試したいときに現在の状況を切り取ったようにバックアップできるスナップショット機能や、アイディアを付箋のように動かして整理できるコルクボード機能など、WordやGoogleドキュメントにはない細やかな配慮があります。文字数の目標を設定して文字数の目標を設定してリアルタイムでカウントしていく機能はWordにもありません。
ただ、唯一の欠点は、クラウドの同期がDropboxにしか対応していないことです。何故iCloudに対応してくれないのでしょうか。Windowsとの互換性を重視しているのでしょうか。わたしにとって執筆は机の上だけでやるものではありません。外で、モバイルデバイスでも書くことが多いのです。そのためには、iCloudかOneDriveによる連携は必須です。
結局いろいろ試してみましたが、その一点だけがどうしても受け入れられず、結局使うのを諦めました。最近の使い方、すなわちWordとClaudeを中心とした執筆方法を維持することにしました。
最初に述べたように、Scrivenerの良いところは、原稿だけでなく、様々な調査情報、たとえばWebで調べた内容や、雑誌や本のスキャニングデータなどを一元管理できるところにあります。しかし、最近は、特にClaudeがプロジェクトに対応してくれたことで、調査やアイディア出しはClaudeのプロジェクトで管理しています。
Claudeは相談相手になってくれる分、Scrivenerよりも良いのですが、バックアップをどうやって取るか頭を悩ましています。いまは、定期的にエクスポートすることに留まっていますが、もっと取り回しの良い方法がないか引き続き探したいと思います。
ScrivenerがDropbox以外のクラウドサービスと連携ができ、ClaudeのようなAIとインテグレーションできれば、完璧だと思います。逆に言うと、Claudeがプロジェクト管理をバックアップ含めてもっと強化してくれれば、Scrivenerの出番は無くなってしまうことでしょう。
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