書くための、もう一枚の窓。 — iPad miniが支える執筆環境 —

コラム

わたしはなぜMacBook Proではなく、MacBook Airを選んだのでしょうか。それはMacBook Airが軽いからです。それに尽きます。これは実際の重量だけでなく、デザインやスカイブルーの色から受ける印象、見ているだけで気持ちが軽くなることも含みます。

ですのでわたしは、旅に出るときも、セカンドハウスの萩に行くときも、MacBook Airをカバンに入れて出かけます。重さは1キロそこそこ。キーボードも良好、バッテリーも執筆目的であれば数日充電が要らないレベルです。何より「今すぐにでも書ける」気軽さがあります。

Apple 2025 MacBook Air M4 チップ搭載 15 インチノートブック: Apple Intelligence のために設計、15.3 インチ Liquid Retina ディスプレイ、16GBユニファイドメモリ、 256GB SSD ストレージ、12MP センターフレームカメラ、Touch ID - スカイブルー
Apple 2025 MacBook Air (15インチ, 10コアCPUと10コアGPU搭載Apple M4チップ,...

ただ一つ、執筆という観点で言うと、足りないものがあります。それはサブディスプレイです。別にMacBook Airだけの問題ではないのですが、MacBook Airが外で使うことを前提にしているので、もうひとつ、外で使えるディスプレイがあると執筆の効率は大きく上がります。

家での執筆では、Mac Studioに4Kディスプレイをつなぎ、原稿と資料、メモと構成表を広々と表示できます。この環境の利点は明らかです。しかし、セカンドハウスや外のカフェではそうはいきません。どうしても画面は一枚。文書を開けば、調べ物のウィンドウが隠れます。アイデアをメモすれば、プロットが見えなくなります。そんなとき頼りになるのが、実は iPad mini なのです。

Apple iPad mini(A17 Pro):Apple Intelligence、8.3 インチ Liquid Retina ディスプレ イ、128GB、Wi-Fi 6E、12MP フロントカメラ/12MP バックカメ ラ、Touch ID、一日中使えるバッテリー ‒ スペースグレイ
iPad mini Wi-Fi 128GB - スペースグレイ (A17 Pro)

ただし、わたしはiPad miniを「拡張ディスプレイ」としてではなく、「もう一つの道具」としてとらえています。どういうことでしょう?

もちろん、Sidecarやユニバーサルコントロールを使えば、iPadは物理的なサブディスプレイとしても使えます。しかし、私が使うときは少し違うのです。MacBook AirはあくまでmacOSで、iPad miniはあくまでiPadOSとして使っています。つまり、わたしはiPad miniはMacの延長ではなく、並走するサポーターなのだと思っています。

たとえば執筆中、iPad miniではClaudeやChatGPTとやりとりしながらプロットを磨きます。あるいは辞書や資料を常時表示しておき、いつでも意味や用例を確認できるようにしています。iPadの画面ではSafariと辞書アプリ、あるいはAIチャットだけを開いておきます。必要なときにちらりと見る。このように目線をずらすだけで参照できるという仕組みは、思いのほか集中を途切れさせません。

このときの操作もスムーズです。macOSとiPadOSはHandoffやユニバーサルクリップボードにより、キーボードやマウスを共有できますし、コピペもシームレスです。iPad miniに出てきた答えをMacBook Airの原稿にペーストするのに、まったくストレスがありません。

わたしの悪い癖ですが、ガジェットにはついスペックを求めたくなります。無印よりAir、AirよりPro。しかし、実際の執筆において重要なのは、当たり前のことではありますが、どこでどう使うか、どこまで活用できるかです。iPad miniは、小さくて軽くて、Apple Pencilにも対応します。しかし、わたしにとって何より価値があるのは、執筆という集中の世界に必要な情報だけを提供する「もう一枚の窓」であることです。

MacBook AirとiPad mini。それぞれ単体でも十分機能を発揮するし、活用もできると思います。しかし、それを組み合わせることで、新たな発想や高い生産性が実現できることもあります。両者をつなぐのは物理的なケーブルではなく、「書く」という行為に対する姿勢と工夫なのではないのかなと思っています。わたしにとって、それは集中と参照のバランス、創造性と情報収集の共存です。道具を使いこなすのではなく、道具に寄り添いながら、自分の思考を形にしていく。そんな執筆のあり方を、この二つのデバイスが教えてくれているように感じます。

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