時間を守れない営業は契約を取れないーープリセールスエンジニアが見た成約の法則

コラム

わたしはプリセールスのエンジニアとして、営業を技術的に支援しています。プリセールスとは、お客様からお声がけいただいて契約に至るまでの時期、あるいはその間に行われる営業活動のことです。

プリセールスエンジニアの仕事は、お客様のビジネス上の課題を明らかにし、その元となる問題を解決するための技術的方法を考え、提供することです。その解決策にリスクがないか、ROI(投資対効果)が出るのかまで考えます。

今まで、いろいろなタイプの営業と仕事をやってきました。その中で人やお客様、商品に関係なく、契約まで行く案件と行かない案件の特徴が分かってきました。

細かいことを数え上げればきりはないのですが、ほぼ間違いないという一点を書きます。

それは、時間を守れない案件です。何も難しいことはありません。言葉通りで、お客様との商談を1時間と決めているのに、平気で10分、30分、案件によっては1時間もオーバーすることがあります。こういった案件は間違いなく、契約まで行きません。

商談時間くらいと思われるかも知れません。熱いハートで商談をやっていればそういうこともあると仰る方もいるかも知れません。しかし、一部の特殊な創業者的ワンマン社長を除いて、こういった商談をやる人はバイされません(お客様から認められることはないという意味)。

時間にルーズな営業のほとんどが、他人に対する配慮に欠けています。案件は1人では進められません。金額が大きくなればなるほど他人の協力が不可欠です。しかし、こういった人は根回しや準備するということをしません。

時間にルーズな営業は、既に入っている予定を無視して、突然のアポイントメントを入れています。なんの調整もしません。いつもわたしが社内的な調整をしなければいけません。

また、打ち合わせのアジェンダ(議題)や役割分担の事前の説明もありません。彼のミーティングは何を準備していいのか分かりません。こういう人に限って突然打ち合わせ中に丸投げしてきます。

打ち合わせは、準備していないので空中戦になります。何が論点か分からず、堂々巡りで時間ばかりかかって中身のある議論ができません。途中でお客様が機嫌を壊して打ち合わせが中断したりもします。

一方で、案件を決められる営業は、事前の根回しが完璧です。ミーティングに参加する関係者はアジェンダ、議論するポイント、自分の役割を完璧に理解して臨めます。2週間から3週間先を見ながら進めているので、予定を入れるのも依頼をするのも早いです。

打ち合わせ中は完璧に場をコントロールしています。お客様の興味をぐっと掴んで、その心を先読みするように商談を進めます。そして、参加者は最適なタイミングで役割に応じて議論に参加するのです。

繰り返しますが、案件を決めることができない営業かどうかを見分ける一番良い方法が、商談時間を守れるかどうかということです。逆に言うと、時間を守って商談を進めることのできる営業の成約率は高いと思います。

難しい営業手法を学んだり、コンサルティングを受ける必要はありません。これだけです。

皆さんの周りの営業の方々はいかがですが。商談は時間通りに終わっているか、お客様や社内の関係者にとってサプライズがある状態になっていないか、この人に心から協力しようという気持ち良い状態になっているか、一度じっくり観察してみてください。わたしの言うことがお分かりになると思います。

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