これまた古い映画だなぁと思われる方も多いと思います。映画自体は1990年に公開されました。原作は同名のトム・クランシーの小説で、彼の処女作。人気のジャック・ライアンシリーズの1作目です。
当時のレーガン大統領が愛読していたといいますから、どんだけ昔なんだよと思いますよね。舞台となっている時代はさらに古く、冷戦時代の1984年です。
この映画は大好きで、もう何十回と観ています。この週末に何年かぶりにアマプラで視聴しましたので、何がそんなに良いのか書いておこうと思います。
まず、音楽と音響が良いです。作曲者はベイジル・ポールドゥリスという今では知っている人は少ないと思いますが、当時は「ロボコップ」やアーノルド・シュワルツェネッガーが主役を演じた「コナン・ザ・グレート」シリーズ、スティーヴン・セガールの沈黙シリーズの作曲もしていましたから、当時は有名な人でした。
イントロで入る合唱曲からのテーマミュージックは、何度も聴いてもワクワクしてきます。モチベーションが爆上がりする音楽です。ジョン・ウイリアムスの有名なテーマ曲にも劣りません。
他にも、ラストシーン近くの潜水艦同士のバトルシーンで流れている曲は血沸き肉踊ります。以前冒険小説を書いていた時、この映画のサントラを繰り返し流しっぱなしにしていたことを思い出します。
音楽だけでなく、音響も良いです。この映画はアカデミー音響効果賞をとっています。潜水艦航行時のスクリュープロペラの旋回音、海上に投下されたソナーの探知音、迫り来る魚雷の推進音など、映画への没入感を煽る迫真の効果でした(映画自体には技術的な誤りがあると作者のクランシーが述べているので、音響もホンモノに近いのかどうかは分かりません)。
次に登場人物たちが魅力的です。主人公のライアンや、ショーン・コネリー演じるラミウス艦長はもちろんカッコ良いのですが、脇役陣が渋くて良いのです。
その中でも私が気に入っているのは、アメリカ海軍攻撃型原潜(SSN)「ダラス」乗組員です。ソナー員のロナルド・ジョーンズ二等兵曹の耳の良さと機転は言うまでもないのですが、艦長のマンキューソには痺れました。
知的で謹直で如何にも軍人、という佇まいながらリーダーとして、指揮官としての優秀さに惚れ惚れします。スコット・グレンという役者さんがまた渋い。この人の掛けているメガネが欲しくて、当時メガネ屋さんを探し回ったものです。
その副官のトンプソン少佐も良い味を出しています。マンキューソが艦にいる間は平々凡々とした雰囲気なのですが、部下の進言をきちんと採用して艦長に通したり、マンキューソがレッドオクトーバーに移ってからの指揮官ぶりがめっちゃカッコ良いのです。”Come on, big D. Fly.” という彼のセリフの瞬間は、震えが来るほどです。
この映画を政治的に論じたり意味付けすることも面白いかもしれませんが、私はあまり興味がありません。それよりも、是非、実際に映画をご覧になって、このカッコ良さを体感してください。モチベーションが上がること間違いなしです。