今日朝起きて、Apple Watchを見ると天気は曇り。雨は降りそうにないので、外の散歩にしました。
空気は少し湿っていて、南九州が梅雨入りしたというニュースを思い出しました。今年はいつもより少し早い梅雨がやってきそうです。
近くの住宅街を30分ほど歩いて、公園に向かいます。公園の外周を3周、合計1時間の散歩道です。
歩きながらふと気付いたことがあります。わたしは、ただぼんやり歩いているわけではないということです。無意識のうちに、頭の中で昨日の仕事を振り返り、来週以降の仕事を見通して、来週会うであろう人たちと会話をしているのです。
散歩は、もちろん健康に良いです。血流を促し、心肺機能を高め、身体を整えてくれます。けれど、それだけではないことに今日気付いたのです。
歩いている最中、わたしの思考は解放され、自由に飛び回っています。過去の出来事の再評価や、未来への仮説立てを自然とやっているのです。これは、まさに「脳のウォーミングアップ」であり、さらに言えば「日常の中に埋め込まれたシミュレーター」です。
わたしたちは日々、無数の選択を迫られています。その選択をより良いものにするためには、「もしこうなったらどうするか」を事前に考えておくことが大事です。歩きながらの思考は、この「もしも」のバリエーションを増やしてくれます。
たとえば、誰かとの会話を頭の中で再現したり、明日のプレゼンテーションのアイスブレイクについて考えてみたり、さらには自分の感情の動きまでをシミュレートできます。とっぴな仮説や常識ではあり得ないシチュエーションも試すことができます。
散歩中あまりシミュレーションに夢中になっていると、交通事故に遭う可能性もあるので注意が必要ですが、それ以外にも注意すべきことがあります。
やってみると分かりますが、歩いている最中の思考は、ともすれば堂々巡りになります。また、後悔や、まだ起きていない事柄に対しての不安に囚われると、散歩自体が心を重くする時間になってしまいます。
そうならないためには、思考を、シミュレーションを保存しておこうと思わないことです。心に浮かぶイベントをそのまま受入れ、そのまま流していくのです。堂々巡りになっても良いです。堂々巡りになるということは無意識にそれが重要であることを脳が知っているからです。
また、この自分の中のシミュレーターはなかなか優秀で、覚えようとしなくても、必要な場面になるとひょっこり出現したり、再現したりできるのです。わたしは散歩する習慣が付いてから、本番のときに既視感を感じることが多くなりましたが、それは散歩のときにシミュレーションしていた内容であることが多いです。
どうしても覚えておきたければApple WatchとDraftsなどを使ってメモを取ってしまいましょう。頭の中に残しておかないことです。大事なことは、シミュレーションするというプロセスであって、その結果ではないのです。
歩くという行為は、驚くほど創造的です。身体を動かしながら思考を動かすことで、人は自分自身の深部に触れ、未来を描く準備ができます。今日のわたしが気付いたように、日常の中、自分の中には「静かなシミュレーター」が隠れています。
だからこそ、わたしは、天気が良かろうと、悪かろうと、外の散歩であろうと、ジムのウォーキングマシンの上であろうと、これからも歩いていこうと思います。できるだけ毎日、もちろん健康のために。そして、思考や未来の行動を整えるために。歩くことは、もはやわたしにとって、生き方を整える大切な時間になりました。
生き方を整える方法は様々です。モーニングページやブレットジャーナルもそのうちの1つです。しかし、この散歩という自分の中のシミュレーターを使うことも有用な方法であると思います。是非、みなさんも試してみてはいかがでしょうか。
コメント