ジーン・ハックマンの訃報に接して

コラム

ジーン・ハックマンは、若い方はもしかしたらご存じないかもしれません。とても癖のある俳優で、アンソニー・ホプキンス、ジャック・ニコルソン、ゲイリー・オールドマンに並ぶ性格俳優というか、怪優といってもよいとおもいます。

個人的にはそれほど好きな俳優ではありませんでしたが、『ポセイドンアドベンチャー』の型破り牧師役は印象に残っています。のちのブルース・ウィリス系に繋がるアクション俳優であると言ってもよいのではないでしょうか。

「ポパイ」というニックネームで呼ばれるはぐれ刑事を演じた『フレンチコネクション』も観た覚えがあります。彼はアカデミー主演男優賞を獲ったはずです。クリント・イーストウッドの『ダーティ・ハリー』が1971年12月公開ですから、同年10月公開の『フレンチコネクション』の方が、刑事アクションもののはしりといえるのかもしれません。

その後、『スーパーマン』に悪役で出演したあたりから、わたしとしては、ちょっと大丈夫かなと心配していました(役を選ばないという意味で)。最近ではアメコミの映画に有名な俳優が出ることが当たり前になりましたが、当時はどうしても売れなくなった俳優が人気取りのため、お金のために出演したのかと思われる風潮があったのも確かです。

1992年にクリント・イーストウッド主演・監督の『許されざる者』で敵役の保安官役を演じました。これは素晴らしかったです。久々の西部劇の復権ともいわれた名作で、アカデミー作品賞も獲りましたし、ハックマンも助演男優賞を獲ったはずです。

ハリウッドの一時期を支えた偉大な俳優であることは間違いなく、その死が惜しまれます。でも、95歳とのことなので、大往生といえば大往生の歳ですが、奥様や愛犬と一緒に亡くなっておられたというのは気になります。詮索はするつもりはありませんが、安らかな死であったことを祈ります。ご冥福を心からお祈り申し上げます。

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