
2月ひとつきをかけて実施してきた、アナデジタルのPoC。その進捗状況については、過去の投稿でもいくつか書いてきました。今日はその結果を、あるYouTube動画の紹介も兼ねて書きたいと思います。
そのYouTube動画はこちらです。以前も別の投稿で紹介したジルさんの動画です。
ときを同じくして、ジルさんもわたしと同じ趣旨で仕事のワークフローのデジタル化に取り組んでいたようです。彼女の当初の運用は下記のようなものでした。
- 計画(月次、週次)と行動は紙の手帳によるパレットジャーナルで管理
- 行動の結果としてのミーティングの議事録はiPad ProとApple Pencilで手書き
- 朝の反省、聖書の祈り、この日のメモやログ、行動記録、夕方の反省、といういちにちの流れを全て紙の手帳1冊で管理
この運用の問題点は、月次計画のあいだに彼女がとったメモがはさまってしまい、あとあと月次計画を週次計画に落とし込む際に見落としが発生するリスクがあるということでした。確かに1冊の紙の手帳を行ったり来たりしてタスクを書き写していると、ミスや漏れが発生しそうです。
また、タスクはMicrosoft ToDoで管理していて、スマホでいつも持ち歩いてチェックし、毎日パレットジャーナルに転記していたそうです。しかしこの転記が二重入力となり手間であることと、パレットジャーナルがA5であるために持ち歩くことができず、不便を感じてしまっているとのことです。
これに対する彼女の解決策は下記のようなものでした。
- 月次計画と週次計画、それぞれのログはiPad Proでキーボードで入力して管理
- 毎日のスケジュールとタスクは計画を見ながら紙のフィールド手帳に転記
- 聖書を読んで感じたこと(おそらくジャーナルやモーニングノートのカテゴリに入る作業)は専用のA5のノートに書く
計画とログをデジタルに集約することにより二重入力を防ぎ、抜け漏れやミスをなくすことができます。彼女の場合、計画とログの管理にはApple純正メモを使っているため、iPhoneでToDoをパッと見るわけにはいきません。なので、フィールドノートというポケットにも入る紙のノートに毎日のスケジュールとタスクを転記することにしたようです。
わたしも同じような試行錯誤をしていたので、彼女の気持ちはとてもわかると同時に、参考になりました。さて、それではわたしのアナデジタルPoCの結果、最終的に落ち着こうとしている運用について書きます。
まず、基本的な考え方は下記のとおりです。
- 二重入力を極力しない
- 仕事とプライベートは極力分ける
二重入力についてはいうまでもないことです。仕事とプライベートについては、少し説明が必要かもしれません。わたしの勤めている会社はセキュリティに厳しく、基本的に会社貸与のデバイスを個人目的で使ってはいけないし、当然仕事上得た情報を会社が許可したデバイス以外に保存することを厳しく禁じています。
いままでのアナデジタル の運用や、アナログの運用はこの点について少し問題があったかなと考えています。個人所有のiPadに仕事の議事録を残すことは本来いけませんし、厳密にいえば紙の手帳に議事録を残すことさえかなり微妙です。そのため、仕事の計画とログは全て会社貸与のデバイスで行うようにしました。
その結果、たまたまですが、ジルさんと似たような運用になっています。
- 月次で会社のカレンダーからタスクを拾い出して会社貸与のMacBook Proで純正メモアプリにコピペする(日ごとにタスク表を作る)
- 週次でタスク表を最新化(最新化は都度行うが、週次にチェックする)
- まいにち、タスク表のタスクをカレンダーのスケジュールにマッピング(会社のカレンダーはGoogle Calendarであるため、Google ToDoリストを使う。これによりスケジュール上に表示させることができる)
- 議事録や仕事に関するメモは会社貸与のMacBook Proで純正メモアプリに残す(日ごとにメモを分ける)。
ジルさんとちがうのは、まいにち行うタスクのカレンダーへのマッピングのところです。ジルさんはこれを紙のフィールドノートに転記するということでしたが、わたしは上記の原則にのっとって、会社貸与のMacBook Proでやります。
あとは、ジャーナリングとアイデア出しのブレストです。このふたつは最後のさいごまで悩みました。いろいろ試したのですが、最終的にiPad + Goodnotesということになりました。Goodnotesに年ごとのフォルダを作り、その下にジャーナル用のノートとブレスト用のノートを作ります。
MDノートとPLOTTER、orbitkey Leather Compendiumの組み合わせも捨てがたいのですが、iPad + Goodnotesの使い勝手の良さが上まわりました。また、紙の手帳に何十年かぶりに万年筆やボールペンで書いていたせいか中指にペンだこができてしまい、痛いのなんのって……。
もうひとつアナログ生活もやってみて感じたというか、思い出したのは、ノートやバインダー、カバー、筆記用具などの沼もそれぞれ深くて、アナログを使っているかぎり、その沼から抜け出せないどころか、さらに深みにハマってしまうことです。そうだ、デジタルへの移行は、手帳やペンの沼から抜け出すためにできる唯一の選択肢なのだ、と思い知りました。
以上、アナデジタル PoCの最終報告でした(今後もどんどん変わっていく可能性は高いですが……どこに行っても沼だらけです……)。