また会う日まで、地球警備隊の君へ

コラム

今朝、ふとした瞬間に、五輝(いつき)のことを思い出しました。

特別なきっかけがあったわけではありません。いつものように散歩から帰って、猫のトイレを掃除し、草木に水をやって、去年亡くなった喜与ちゃんと、五輝にお線香をあげただけの朝でした。毎日やっている、いつもの日課です。けれど、今日に限って、どうしようもなく彼のことが心にあふれてきたのです。

まだそこにいる気がしてなりません。

猫ベッドの中で丸くなっているのではないか、名前を呼んだら「ニャ」と返事をして出てきてくれるんじゃないか——そんな錯覚に似た思いが、涙と一緒にこぼれて止まりません。

五輝は、本当に優しくて賢い猫でした。

私たちがどこにいても、何をしていても、彼は見守ってくれていました。相方がトイレに行けば、トイレの前でじっと待ち、私が風呂に入れば、脱衣所の前で静かに待ってくれていた。あの沈黙の中に、深い信頼と愛情がありました。

彼はベランダが好きでした。よく柵の隙間から外をじっと眺めていました。

私は冗談まじりに「地球警備隊なんだね」と声をかけたものです。まるで、世界を見守る使命を自覚しているような、そんなまなざしで、彼は朝の町を見つめていました。

そんな彼がいなくなった今、なんだか世界が少しだけ不安定に思えます。

どこかで戦争が始まっても、大きな地震が来ても、不思議じゃないような、そんな不安がふと胸をよぎるのです。たった一匹の猫がいないだけで、世界のバランスが崩れたように感じる——それほどまでに、彼の存在は大きくて、尊くて、特別でした。

きっと五輝は、この世に何か大きな使命を持って生まれてきたのでしょう。

それが何だったのか、私にはわかりません。ただ、私と相方の心に、言葉にできないほど深く優しい思い出を残してくれたこと。それだけは確かです。

私は、彼のことを一生忘れません。

いつかまた同じ場所で会えたら、あの頃のようにお腹を撫でてあげたい。心からそう願っています。

そして、さっき何気なく開いたYouTubeのライブ配信。

とある旅館で暮らす猫たちの映像に、まるで五輝のような猫がふいに画面に現れました。茶トラ白の模様、ふっくらした体、落ち着いた佇まい。彼そのものでした。偶然かもしれない。でも、彼が姿を変えてメッセージをくれたのかもしれない、そんな気がしてなりません。

だから、私はそのチャンネルを登録しました。

これからも、五輝に似たその猫の姿を通して、彼と再びつながる時間を持ち続けたいと思います。

五輝、ありがとう。

地球警備隊、今日も任務ごくろうさま。また、きっと会おうね。

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